大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)707 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点について。

論旨は上告人と訴外Dが同居している事情をるる述べるけれども、上告人と右D

とが親族関係にありかつ同居している事実について争いのない本件において、その

同居の理由が所論のとおりであつても、両名が自作農創設特別措置法四条にいう同

居の親族の関係にないものとすることはできない。

論旨はまた、右Dが戸主として取得した権利は既得権であつて昭和二二年法律二

二二号民法改正法附則四条但書によつて失われず、その所有小作地と上告人所有小

作地とを合算して保有面積を計算するのは違法である旨を主張するのであるが、す

べて自作農創設特別措置法による農地の買収は、地主が何等かの原因によつて取得

した農地の所有権を目的とするものであつて、本件の場合のように取得原因が家督

相続であるからといつて、所論のように特に既得権として保護され同法四条の適用

を受けないと解すべき理由はない。

同第二点について。

論旨は、原判決は、本件買収計画が上告人の保有小作地を法定面積以下に減少せ

しめる違法がある旨の上告人の主張について審理判断をしていない違法がある旨を

主張するのである。

しかし、記録に徴するに上告人主張の原審における上告人準備書面に所論のよう

な記載はあるけれども、昭和三〇年二月二四日の原審弁論期日に控訴代理人は、「

当庁昭和二十九年七月二日交付の所有小作地一覧表(昭和二十九年四月十四日付準

備書面第一項記載の小作地明細書)及び昭和三十年二月一六日附準備書面は、いず

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れも陳述しない。」「昭和二十九年四月十四日附及び同年十月十四日附準備書面は、

請求原因としてではなく、単なる事情として述べたものである。」と述べているの

であるから、結局所論の点は原審で争われなかつたのであり、原判決がこの点につ

いて判断を加えなかつたとしても何ら違法とはいい得ない。論旨は理由がない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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